小松法律事務所

令和6年5月17日民法等一部改正法律(令和6年法律第33号)交流実現関係条文


○「令和6年5月17日民法等一部改正法律(令和6年法律第33号)履行確保関係条文」の続きで、令和8年5月24日までに施行される「改正の概要PDF」のうち「第4 安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し」関係についての民法条文の備忘録です。

第4 安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し
○審判・調停前等の親子交流の試行的実施に関する規律を整備 人訴法34の4、家手法152の3等
○婚姻中別居の場面における親子交流に関する規律を整備 民法817の13等
○父母以外の親族(祖父母等)と子との交流に関する規律を整備 民法766の2等


○以下、関係条文です。

人事訴訟法
第34条の4(判決前の親子交流の試行的実施)

 裁判所は、第32条第1項の子の監護者の指定その他の子の監護に関する処分(子の監護に要する費用の分担に関する処分を除く。)の申立てがされている場合において、子の心身の状態に照らして相当でないと認める事情がなく、かつ、事実の調査のため必要があると認めるときは、当事者に対し、子との交流の試行的実施を促すことができる。
2 裁判所は、前項の試行的実施を促すに当たっては、交流の方法、交流をする日時及び場所並びに家庭裁判所調査官その他の者の立会いその他の関与の有無を定めるとともに、当事者に対して子の心身に有害な影響を及ぼす言動を禁止することその他適当と認める条件を付することができる。
3 裁判所は、第1項の試行的実施を促したときは、当事者に対してその結果の報告(当該試行的実施をしなかったときは、その理由の説明)を求めることができる。

家事事件手続法
第152条の3(審判前の親子交流の試行的実施)

 家庭裁判所は、子の監護に関する処分の審判事件(子の監護に要する費用の分担に関する処分の審判事件を除く。)において、子の心身の状態に照らして相当でないと認める事情がなく、かつ、事実の調査のため必要があると認めるときは、当事者に対し、子との交流の試行的実施を促すことができる。
2 家庭裁判所は、前項の試行的実施を促すに当たっては、交流の方法、交流をする日時及び場所並びに家庭裁判所調査官その他の者の立会いその他の関与の有無を定めるとともに、当事者に対して子の心身に有害な影響を及ぼす言動を禁止することその他適当と認める条件を付することができる。
3 裁判所は、第1項の試行的実施を促したときは、当事者に対してその結果の報告(当該試行的実施をしなかったときは、その理由の説明)を求めることができる

民法
第817条の13(親子の交流等)

 第766条(第749条、第771条及び第788条において準用する場合を含む。)の場合のほか、子と別居する父又は母その他の親族と当該子との交流について必要な事項は、父母の協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。
2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、父又は母の請求により、同項の事項を定める。
3 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、父又は母の請求により、前2項の規定による定めを変更することができる。
4 前2項の請求を受けた家庭裁判所は、子の利益のため特に必要があると認めるときに限り、父母以外の親族と子との交流を実施する旨を定めることができる。
5 前項の定めについての第2項又は第3項の規定による審判の請求は、父母以外の子の親族(子の直系尊属及び兄弟姉妹以外の者にあっては、過去に当該子を監護していた者に限る。)もすることができる。ただし、当該親族と子との交流についての定めをするため他に適当な方法があるときは、この限りでない

第766条の2(審判による父母以外の親族と子との交流の定め)
 家庭裁判所は、前条第2項又は第3項の場合において、子の利益のため特に必要があると認めるときは、同条第1項に規定する子の監護について必要な事項として父母以外の親族と子との交流を実施する旨を定めることができる。
2 前項の定めについての前条第2項又は第3項の規定による審判の請求は、次に掲げる者(第二号に掲げる者にあっては、その者と子との交流についての定めをするため他に適当な方法がないときに限る。)がすることができる。
一 父母
二 父母以外の子の親族(子の直系尊属及び兄弟姉妹以外の者にあっては、過去に当該子を監護していた者に限る。)